(ニューウェイブ誌2016年1月号コラムより)
「私は出来る(出来た)!という達成感の持つパワー」についての記事をよく目にする。
ある記事では子供たちのキャンプでのイベント企画で「チャレンジパスポート」というものを作り、一つ一つチャレンジがクリア出来たらチームリーダーからスタンプがもらえるようにしたところ、子供たちは生き生きと目を輝かせてキャンプ生活を送ったと紹介されていた。また別の記事では、ファミコンやスマホのゲームに夢中になるのは、簡単なステージから始まり難度の高いステージまでクリアしていく過程での達成感が、無意識のうちにゲームにはまっていく魔法の根源であると解説している。電車の中など見渡してみると、たしかにこの魔法にかかっている人は多いように感じられる。またビジネスでも「仕事を細分化して常に達成感を得ながら作業をすればよい」とのアドバイスもある。
「出来る」の意味は①新しく物事が生じる。②それをする能力や可能性がある、、、など。別の意味で③出てくる、現れるともある。人の潜在能力は3%とも5%ともいわれるが、もしかしたら「出来る」とは、もともと持っている潜在能力を健在化させるだけのことかもしれない。であれば、誰でも成功する(出来る)可能性は100%あるのでは?と楽観的に考えてしまう。「為せば成る為さねばならぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり」という上杉鷹山の言葉もある。
さあ新しい年を迎える。「今年はいくつの出来る(出来た)を積み合重ねられるか」「いくつスタンプがもらえるか」楽しみだ。