(2018年2月号コラムより)
築地のすぐ近くにある「聖路加国際病院」の名誉院長であり、昨年105歳で亡くなった日野原重明氏の「いのちの使いかた」という本に出会った。氏はオウム真理教によるサリン事件の時に一般患者の診療を急遽中止して640名の患者の対応をしたことや、生活習慣病という言葉をつくり、完全独立型ホスピスを日本で初めてつくった事などで有名である。又、58歳の時に「よど号」ハイジャック事件の人質から生還した後、「命という与えられた時間を困っている誰かのために捧げるのが人としての使命」と、小学校で226回の「いのちの授業」を開講し伝えていくということをした。
そして、氏が病床にて最後に伝えた言葉がふたつある。ひとつめはエンカウンター(出会い)であり、それは自分を成長させる糧であるということ、そしてふたつめはキープオンゴーイング(全身し続ける)ことの大切さである。文字通り生涯現役を貫き全身し続けた実践の人であった。
働くということは、与えられた命(時間)を人様のためにつかうことである…60歳を迎える年の始めに「天秤にかけると、まだまだ奉仕の時間が足りない」と再度スタートラインにつくための素晴らしい出会い(プレゼント)を頂いた。