下を向くな!

(2015年1月号コラムより)

木枯らし吹く師走のあわただしさの中、通勤途上の道行く人を見てみる。狭い歩道にせかされたように行きかう人々、その半分いや大方7割以上の人がうつむいて歩いている。まるでその前かがみの姿勢が通勤の基本姿勢のようにも見えてしまう。

視線の先は大体前方3mの地面、あるいは手に持ったスマートフォン。恒例のセブンイレブンの100円コーヒーを持って歩く私と危うくぶつかりそうになる。

医学的にも「下を向いて歩くことで生じるリスク」があるという。首を下げて猫背の様な姿勢が続くと腹筋や背筋を使わないので肩コリ、腰痛の原因にもなるし老けた容姿になる。目線をあげて空をみると~空の青々とした色は色彩心理学的に見ても心を落ち着かせてくれ身体をリラックスさせてくれる効用がある。

さあ新しい一年が始まる。今年の第一歩は背筋を伸ばし胸を張り、目線を上げて歩こう。

そして少しだけ口角を上げた笑顔が演出出来れば、神様も運を運んでくれるかもしれない

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コーチング

(2015年8月号コラムより)

部下指導、人材育成の指導法に「コーチング」という言葉を頻繁に見る。コーチと聞くとどうしてもスポーツでのコーチが想像されるが、自分でつかみ取った技術を人に教えることほど難しいことはない。名選手かならずしも名コーチならずである。長嶋茂雄のコーチは「こうきたら パッとこう打つんだ」と指導すると聞くが 松井のようなその域に達している選手には理解でき気づきを与える事ができるが そのような一流の選手ばかりではない。ましてや現在はインターネットの普及により世代間の格差が顕著になり、場合によっては言葉(言語)さえ通じないことがある。そしてさらに悪いことには 年配者の最新技術情報の不足、若者の教わりたいという要求の欠如(自分で調べた方が早いという現象)および お互いのコミュニケーションの場の不足がある

そしてとどのつまり「いちいち言わなくても わかっているはずだ」で済ませてしまい、意思疎通の欠落の結果 人間関係のトラブルまで発展する。「いちいち言わなくてもわかるだろう」というあなたと「きちんとわかるように言ってくれないとわからない」と反論する相手。手間に感じるかもしれないが 特に大切なことは わかっている事でも繰り返しつたえる価値はある。同時に自分にとっても再確認になる。無駄にはならない

「言わなくてもわかる」と思うことをわざわざ伝えるのが 信用を重ねるコミュニケーションである。それには手間と根気が不可欠である。若者が「うざい」と遠ざける「おせっかいのコミュニケーション」の重要性が高まっているのかしれない。

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プロはわかりやすく伝える

  1. (2015年5月号コラムより)

伝えなければ、伝わらなければ、それは「ない」のと同じ。これは真理ではないだろうか。売上をあげる方法のひとつは「わかりやすく」すること。本来、人は聞きたい事だけ(関心・興味のあることだけ)聞くようにできている。その障壁を乗り越えて伝える(聞かせる)ところにプロのプロたるゆえんがあるのだと思う。どんなにいい商品でもその商品の良さだけでは価値はない。わかりやすく伝えることで初めてお客様の中で価値が認められる。よく付加価値営業という言葉を使うが、付加価値とは売る側ではなく商品を使うお客様の中にできるものである。極端に言えば、たとえ売る側が意図しない使い方であっても その使い方でお客様の中に価値が出るのであれば それは立派な価値である。

そういえば、私の社会的価値は?などと自分に問う人もいるが、他人の価値はわかっても自分の価値は正しく評価できない。自分で自分に値札はつけられない。会社に給料という価格で買っていただいている。私の価格・値札(価値)が色あせて滞留品(廃却品)にならぬよう、日々新たに励もう。

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「失敗」のふりがなは「経験」

(2015年9月号コラムより)

内閣府の今年6月の白書の発表によると20~39歳の独身者の「恋愛したくない比率」は46.2%だという。低所得による自信の欠如、自分だけの時間の確保、余暇を過ごす選択肢の増加、引きこもり化等色々原因はあげられるが テレビの識者によると 失恋して

自己否定されるのが怖いからだという。つまり失敗体験を極度に恐れているとの解説であった。

昔から 格言には失敗をはげますことばで溢れている。それほど人間は元来、本質的には弱いものである。

・「失敗とは、一つの教訓にほかならないし好転する第一歩だ」フィリップス

・「失敗から多くのことを学ぶだろう」ロングフェロー

・「私の過去はみんな失敗が土台づくりをしていることにある。仕事は全部失敗の連続である」本田宗一郎

・「失敗のふりがなはケイケン(経験)」

さて最近これが科学的にも証明されていると知り、より一層「失敗すること」の大切さを学んだ。さまざまなことに挑戦し、痛い思いをすることが、脳の“優先順位”を作り「大事なもの ことを選択する」脳を作るのだという。つまり、脳にはいくつもの回路があり失敗に使われた回路には信号が行きにくく、成功に使われた回路には信号が行きやすくなり、とっさに正解が出せるようになっていくのだそうだ。

先人の格言にもあり、又脳科学的にも正式に証明されているのであれば、失敗は文字通り成功の種であることに間違いはなさそうだ

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「先延ばし」を「仕掛かり中」へ

(2014年10月号コラム)

サラリーマンへのアンケート実施の結果、やめたい習慣の第1位は「先延ばしの習慣」だそうである。たしかに、日常の仕事の中には、ミスの報告、資料作成、経費精算、メールの返信などやらなければいけないのだが、先延ばししたい事がたくさんある。これら「先延ばし」がストレスの一因になっていることも事実である。

習慣化コンサルタントによれば、たった3つの考え方を変えるだけで「先延ばし人間」から「すぐやる人間」に変わることが出来るという。

まず先延ばしするときの心理的感情として以下の5つが挙げられる。これらが重なり合って先延ばしという事象がおきる。

「めんどうくさい」

「失敗が怖い」

「まだ時間がある(もうない)」

「つらい」

「自信がない」

この5つの心のブレーキを3つの習慣ではずすことにより「すぐやる人間」になると下記のようなメリットが享受できる。

「ストレスが激減する」

「自信が高まる」

「周囲からの信頼が高まる」

「チャンスを逃さず、モノにできる」

「やりたいことがどんどん実現していく」

「後悔することが少なくなる」

行動力が高まると自分の可能性を広げることが出来、人生は大きく変わる。

さて肝心な その3つの習慣とは・・・

まず、「今、行動を起こすための明確な理由をつくる」~例えば「このままではマズイ!」等の危機感や「解決すれば気持ちがスッキリする」等の快感。次に「物事を具体化、明確化、単純化、見える化する」~例えば「問題を小さく分解してみる」「情報を紙に書いて整理する」「解決の為の手順を考える」最後に「小さな一歩で始める」~いきなり完璧なものを求めるのではなく、一部分だけ取り組んだり、難易度を下げたりして初動を試みる。

日常の仕事の中で 先送りしている多くの仕事を1日1つずつ、意識的に先送りから「すぐやる」ことを心掛けて変革していこう。

成功のポイントはたとえ5分でも実行してそのタスクを処理状態「ゼロ」から「仕掛かり中」に格上げすることだと思う。

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「慣れる」にご注意を!

  1. (2014年9月号コラムより)

最近、飛行機の事故が相次いでいる。マレーシア航空機、トランスアジア航空機、アリジェリア航空機と撃墜、技術トラブル、悪天候など原因は様々であるが、自身の中で飛行機事故に鈍感になっている自分にびっくりしている。そういえば、集中豪雨、誘拐事件、頻繁にテレビに映る地震速報などにも鈍感に。そのうちに非難勧告にも麻痺してしまうのか。
「なれる/慣れる、馴れる」という言葉が頭をよぎる。若かりし頃の自身の体験で、この人間の持つ「慣れる」という力の偉大さで大きな壁を克服できたことを思い出す。しかし、どうやら最近は悪い方の「なれる=麻痺する」に占領されている気がしないでもない。
自身への警告発令! 軸がぶれていませんか? ゴルフや野球のスイングで大切なことは中心軸がしっかりしてぶれないこと。そして中心軸というのは「ひとつ」しかないということ。もう一度振り返ってみて軸の修正をしてみよう。
8月から刷新される全日電材連ホームページの「全日電材連図書館」の中に「当たり前を当たり前に」を掲載しました。会員の方は自由に閲覧ができます。
私ももう一度初心にかえって読み返してみよう。皆様も一緒にどうですか?

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京都お茶屋さんに学ぶ「らしさ」

(2013年8月号コラムより)

京都のお茶屋の女将さんに「一流の舞妓の6つ条件についてお話を聞いたことがある。
①芸・仕事にほれる、②素直、③根アカ、④頭の回転、⑤健康、⑥らしさ、というものだった。特に、最後の「らしさ」というものに感銘を受けた。国語辞典で「らしさ」を調べると、「そのものの特徴がよく出ていることを表す」とある。「板につく」という言葉に置き換えることができるのではないかと思う。
そこで、我が業界を振返ってみると「電材営業マン」は電材営業マンらしく見えているだろうか。「管理者」もまた然りである。
天から与えていただいた職務の「らしさ」を追及し、その職務が板についたならば一人前といえそうだ。「らしさ」-大切にしたい言葉の一つである。

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