コーチング

(2015年8月号コラムより)

部下指導、人材育成の指導法に「コーチング」という言葉を頻繁に見る。コーチと聞くとどうしてもスポーツでのコーチが想像されるが、自分でつかみ取った技術を人に教えることほど難しいことはない。名選手かならずしも名コーチならずである。長嶋茂雄のコーチは「こうきたら パッとこう打つんだ」と指導すると聞くが 松井のようなその域に達している選手には理解でき気づきを与える事ができるが そのような一流の選手ばかりではない。ましてや現在はインターネットの普及により世代間の格差が顕著になり、場合によっては言葉(言語)さえ通じないことがある。そしてさらに悪いことには 年配者の最新技術情報の不足、若者の教わりたいという要求の欠如(自分で調べた方が早いという現象)および お互いのコミュニケーションの場の不足がある

そしてとどのつまり「いちいち言わなくても わかっているはずだ」で済ませてしまい、意思疎通の欠落の結果 人間関係のトラブルまで発展する。「いちいち言わなくてもわかるだろう」というあなたと「きちんとわかるように言ってくれないとわからない」と反論する相手。手間に感じるかもしれないが 特に大切なことは わかっている事でも繰り返しつたえる価値はある。同時に自分にとっても再確認になる。無駄にはならない

「言わなくてもわかる」と思うことをわざわざ伝えるのが 信用を重ねるコミュニケーションである。それには手間と根気が不可欠である。若者が「うざい」と遠ざける「おせっかいのコミュニケーション」の重要性が高まっているのかしれない。

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プロはわかりやすく伝える

  1. (2015年5月号コラムより)

伝えなければ、伝わらなければ、それは「ない」のと同じ。これは真理ではないだろうか。売上をあげる方法のひとつは「わかりやすく」すること。本来、人は聞きたい事だけ(関心・興味のあることだけ)聞くようにできている。その障壁を乗り越えて伝える(聞かせる)ところにプロのプロたるゆえんがあるのだと思う。どんなにいい商品でもその商品の良さだけでは価値はない。わかりやすく伝えることで初めてお客様の中で価値が認められる。よく付加価値営業という言葉を使うが、付加価値とは売る側ではなく商品を使うお客様の中にできるものである。極端に言えば、たとえ売る側が意図しない使い方であっても その使い方でお客様の中に価値が出るのであれば それは立派な価値である。

そういえば、私の社会的価値は?などと自分に問う人もいるが、他人の価値はわかっても自分の価値は正しく評価できない。自分で自分に値札はつけられない。会社に給料という価格で買っていただいている。私の価格・値札(価値)が色あせて滞留品(廃却品)にならぬよう、日々新たに励もう。

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「失敗」のふりがなは「経験」

(2015年9月号コラムより)

内閣府の今年6月の白書の発表によると20~39歳の独身者の「恋愛したくない比率」は46.2%だという。低所得による自信の欠如、自分だけの時間の確保、余暇を過ごす選択肢の増加、引きこもり化等色々原因はあげられるが テレビの識者によると 失恋して

自己否定されるのが怖いからだという。つまり失敗体験を極度に恐れているとの解説であった。

昔から 格言には失敗をはげますことばで溢れている。それほど人間は元来、本質的には弱いものである。

・「失敗とは、一つの教訓にほかならないし好転する第一歩だ」フィリップス

・「失敗から多くのことを学ぶだろう」ロングフェロー

・「私の過去はみんな失敗が土台づくりをしていることにある。仕事は全部失敗の連続である」本田宗一郎

・「失敗のふりがなはケイケン(経験)」

さて最近これが科学的にも証明されていると知り、より一層「失敗すること」の大切さを学んだ。さまざまなことに挑戦し、痛い思いをすることが、脳の“優先順位”を作り「大事なもの ことを選択する」脳を作るのだという。つまり、脳にはいくつもの回路があり失敗に使われた回路には信号が行きにくく、成功に使われた回路には信号が行きやすくなり、とっさに正解が出せるようになっていくのだそうだ。

先人の格言にもあり、又脳科学的にも正式に証明されているのであれば、失敗は文字通り成功の種であることに間違いはなさそうだ

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「先延ばし」を「仕掛かり中」へ

(2014年10月号コラム)

サラリーマンへのアンケート実施の結果、やめたい習慣の第1位は「先延ばしの習慣」だそうである。たしかに、日常の仕事の中には、ミスの報告、資料作成、経費精算、メールの返信などやらなければいけないのだが、先延ばししたい事がたくさんある。これら「先延ばし」がストレスの一因になっていることも事実である。

習慣化コンサルタントによれば、たった3つの考え方を変えるだけで「先延ばし人間」から「すぐやる人間」に変わることが出来るという。

まず先延ばしするときの心理的感情として以下の5つが挙げられる。これらが重なり合って先延ばしという事象がおきる。

「めんどうくさい」

「失敗が怖い」

「まだ時間がある(もうない)」

「つらい」

「自信がない」

この5つの心のブレーキを3つの習慣ではずすことにより「すぐやる人間」になると下記のようなメリットが享受できる。

「ストレスが激減する」

「自信が高まる」

「周囲からの信頼が高まる」

「チャンスを逃さず、モノにできる」

「やりたいことがどんどん実現していく」

「後悔することが少なくなる」

行動力が高まると自分の可能性を広げることが出来、人生は大きく変わる。

さて肝心な その3つの習慣とは・・・

まず、「今、行動を起こすための明確な理由をつくる」~例えば「このままではマズイ!」等の危機感や「解決すれば気持ちがスッキリする」等の快感。次に「物事を具体化、明確化、単純化、見える化する」~例えば「問題を小さく分解してみる」「情報を紙に書いて整理する」「解決の為の手順を考える」最後に「小さな一歩で始める」~いきなり完璧なものを求めるのではなく、一部分だけ取り組んだり、難易度を下げたりして初動を試みる。

日常の仕事の中で 先送りしている多くの仕事を1日1つずつ、意識的に先送りから「すぐやる」ことを心掛けて変革していこう。

成功のポイントはたとえ5分でも実行してそのタスクを処理状態「ゼロ」から「仕掛かり中」に格上げすることだと思う。

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「慣れる」にご注意を!

  1. (2014年9月号コラムより)

最近、飛行機の事故が相次いでいる。マレーシア航空機、トランスアジア航空機、アリジェリア航空機と撃墜、技術トラブル、悪天候など原因は様々であるが、自身の中で飛行機事故に鈍感になっている自分にびっくりしている。そういえば、集中豪雨、誘拐事件、頻繁にテレビに映る地震速報などにも鈍感に。そのうちに非難勧告にも麻痺してしまうのか。
「なれる/慣れる、馴れる」という言葉が頭をよぎる。若かりし頃の自身の体験で、この人間の持つ「慣れる」という力の偉大さで大きな壁を克服できたことを思い出す。しかし、どうやら最近は悪い方の「なれる=麻痺する」に占領されている気がしないでもない。
自身への警告発令! 軸がぶれていませんか? ゴルフや野球のスイングで大切なことは中心軸がしっかりしてぶれないこと。そして中心軸というのは「ひとつ」しかないということ。もう一度振り返ってみて軸の修正をしてみよう。
8月から刷新される全日電材連ホームページの「全日電材連図書館」の中に「当たり前を当たり前に」を掲載しました。会員の方は自由に閲覧ができます。
私ももう一度初心にかえって読み返してみよう。皆様も一緒にどうですか?

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京都お茶屋さんに学ぶ「らしさ」

(2013年8月号コラムより)

京都のお茶屋の女将さんに「一流の舞妓の6つ条件についてお話を聞いたことがある。
①芸・仕事にほれる、②素直、③根アカ、④頭の回転、⑤健康、⑥らしさ、というものだった。特に、最後の「らしさ」というものに感銘を受けた。国語辞典で「らしさ」を調べると、「そのものの特徴がよく出ていることを表す」とある。「板につく」という言葉に置き換えることができるのではないかと思う。
そこで、我が業界を振返ってみると「電材営業マン」は電材営業マンらしく見えているだろうか。「管理者」もまた然りである。
天から与えていただいた職務の「らしさ」を追及し、その職務が板についたならば一人前といえそうだ。「らしさ」-大切にしたい言葉の一つである。

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黒田官兵衛

(2014年2月号コラムより)

2014年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」が始まった。豊臣秀吉の天下取りをアシストした黒田官兵衛であるが、晩年は「如水」と名乗ったように水への思い入れが深く水にまつわる名言を残している。
「自ら活動して他を動かしむるは水なり」「常に己の進路を求めて止まざるは水なり」「障害にあい激しく其の勢力を百倍し得るは水なり」「自ら潔うして他の汚れを洗い清濁併せて容るるの量あるは水なり」
我々はまだまだ自然から学ぶことが多そうである。万物の長である自然が少しずつおかしくなってきている。竜巻、洪水、地震・・・。
我々の業界は幸いなことに環境の保全に大きく貢献できる業界である。それを社会から期待されてもいるし又、体で実感できる。
期せずしてこの業界での仕事を与えて頂いたことに感謝し、誇りを持ちたい。

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半沢直樹に学ぶ

  1. (2013年10月号コラムより)

いま、「半沢直樹」というテレビドラマが話題になっている。その中でよく出てくるセリフの「倍返し、10倍返し」という言葉も流行っているようだ。8月末の視聴率でも27.8%とトップを独走している。
このドラマを見ると現実の社会で抱えたモヤモヤを解消してくれる痛快さを感じる。この感覚は「必殺仕掛人」や「桃太郎侍」、「暴れん坊将軍」などの時代劇を見終わった後に経験したものと同じような気もする。
「半沢直樹」が悪戦苦闘しながらも敢然と企業トップに立ち向かう姿と、弱者を助けるために悪代官を懲らしめる時代劇のヒーローの姿には共通する部分があるように思う。
賢い現代人は「半沢直樹」をドラマの話とドライに受けとり、評判の良くない上司に立ち向かうことはしないだろう。ただ、正義を是とする心だけは持ち続けなければならない。
また、「評判を鵜呑みにしてはならない」ということも肝に銘じるべきだと思う。上司の人柄を評価する前に自分に課せられた義務をキチンと果しているのかを問い、それから真実をシッカリと見極めるべきである。
「一方を聞いて沙汰するな」という言葉もある。卑怯な手を使わず、逃げることなく、全身でぶつかり、真正面から、真っ向勝負のできる人間を目指したい。 [事務局長-宮軒治雄]

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「自信」を形成する内部準拠

(2014年6月号コラムより)

企業の人事部採用部長のお話を聞く機会があった。最近の面接で自分の考えをしっかり主張できるのは女子学生で、どうも男子は自信がなさそうな学生が多いそうだ。
「自信」を形成する過程には「外部準拠」と「内部準拠」がある。準拠とは「よりどころ」という意。前者は(他人に言われたことをやる)→(できない)→(俺には才能がない。ダメな人間だ)と考える。後者は(自分でやりたいと思ったことを自分で目標設定し実行する)→(できない場合は自分で目標を修正する)→(100%成功する)→(このような小さな成功体験を積み上げていく)→自分に自信が持てるようになる。
一度しかない人生…自分で組み立てた方がおもしろいと思うが、いかがだろうか。

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尋常小学校修身書

(2014年8月号コラムより)

図書館で「尋常小學修身書(児童用)」と出会った。人生後半に差し掛かった56歳の身にも反省すべき点多々あり。仕事のリニューアルも大切だが、自分自身のリニューアルからか。
ちなみにモクロクは下記のとおり。
「ヨク マナビ ヨク アソベ」
「ジコクヲ マモレ」
「ナマケル ナ」
「トモダチハ タスケアヘ」
「ケンクワヲ スル ナ」
「ゲンキ ヨク アレ」
「タベモノニ キヲ ツケ ヨ」
「ギョウギヲ ヨク セヨ」
「シマツヲ ヨク セヨ」
「モノヲ ソマツニ アツカフナ」
「オヤノ オン」
「オヤヲ タイセツニ セヨ」
「オヤノ イヒツケヲ マモレ」
「キョウダイ ナカヨク セヨ」
「カテイ」 「チュウギ」
「アヤマチヲ カクスナ」
「ウソヲ イフナ」
「ジブンノモノト ヒトノモノ」
「キンジョノ ヒト」
「オモヒヤリ」
「イキモノヲ クルシメルナ」
「ヒトニ メイワクヲ カケルナ」
「ヨイ コドモ」
注)修身=自分の心とおこないをおさめただすこと

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