- (2013年10月号コラムより)
いま、「半沢直樹」というテレビドラマが話題になっている。その中でよく出てくるセリフの「倍返し、10倍返し」という言葉も流行っているようだ。8月末の視聴率でも27.8%とトップを独走している。
このドラマを見ると現実の社会で抱えたモヤモヤを解消してくれる痛快さを感じる。この感覚は「必殺仕掛人」や「桃太郎侍」、「暴れん坊将軍」などの時代劇を見終わった後に経験したものと同じような気もする。
「半沢直樹」が悪戦苦闘しながらも敢然と企業トップに立ち向かう姿と、弱者を助けるために悪代官を懲らしめる時代劇のヒーローの姿には共通する部分があるように思う。
賢い現代人は「半沢直樹」をドラマの話とドライに受けとり、評判の良くない上司に立ち向かうことはしないだろう。ただ、正義を是とする心だけは持ち続けなければならない。
また、「評判を鵜呑みにしてはならない」ということも肝に銘じるべきだと思う。上司の人柄を評価する前に自分に課せられた義務をキチンと果しているのかを問い、それから真実をシッカリと見極めるべきである。
「一方を聞いて沙汰するな」という言葉もある。卑怯な手を使わず、逃げることなく、全身でぶつかり、真正面から、真っ向勝負のできる人間を目指したい。 [事務局長-宮軒治雄]
1+