(2019年12月号コラム)
日本中を湧かせたラグビーワールドカップが南アフリカ共和国の優勝で幕を閉じた。期間中に台風19号の被害もあったが、海外各国に日本人の気質、日本文化の良さをPR出来たし、何よりも日本人自身が本来持つ大切なものを再度思い起こし熱くさせるものがあった。大会前のTVドラマ「ノーサイド・ゲーム」という布石もよかったし、事前の予想以上に日本国内が盛り上がった。
「ONE FOR ALL , ALL FOR ONE 」や「ノーサイドの精神」、ラグビー憲章に謳われている「品位、情熱、結束、規律、尊重」は忘れかけそうになっている大切なものを思い出させてくれた。笑わない男、医者になる男、日本人以上に日本人らしさを兼ね備えた外国人のリーダーとメンバー、多様性の完成形を象徴するようなメンバーで、そのどれもが魅力的であった。
にわかファンでもいい、なんとなく安きに入ってしまう風潮を感じる現在であるが、ラグビーが終わっても、その時に感じた気持ちを忘れずに持ち続けてほしい。おそらくそれが、日常のすべてを犠牲にして練習に取り組み、大男たちの中に骨の1本2本は折れてもかまわないと突っ込んでいく彼らの勇気に対してのせめてものお礼、お返しだと思う。
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