(2015年2月号より)
今月号は顔のお話を。JRや地下鉄の車内で人々の顔、表情を見ていると誠に興味深い。眉間にシワを寄せ怒っているような顔、思い悩んで途方に暮れているような顔、何かいいことでもあったのか笑いがこぼれ落ちそうな素敵な顔、無表情の中にも色々なタイプがあり千差万別である。
先日実家に帰ったとき、隣家の大学生の娘さんが就職活動用の写真を撮ってきた話しになった。近くのカメラ屋さんかと思ったらそれが大違い。わざわざ大阪まで行き、金額もなんと1万円。リラックスして自分らしさを最大限に発揮する顔、表情で自分の思いや気持ちを伝え、さらに見た人がもう一度会いたくなるような顔の写真を撮ってくれるという。実際出来上がりを見せてもらうと、なるほど普段よりイキイキと輝くお嬢さんに変身している。
顔は人生の縮図であるといわれる。私も実際今まで生きてきて「こんな顔になりたい」と思った方には数人お目にかかった。年配の方でニコニコされ顔を拝見するだけで癒され、なんとなくこちらも幸せになるような顔をしている人がいる。人生の辛苦を乗り越え最終的にたどり着いた顔が、見る人の心を解きほぐすような翁のような顔であれば人生に悔いはない。
自分の顔を鏡でシゲシゲと見てみた。その中の顔はまだまだである。修行が足りないとみえる。その翁のような顔が私の最終目標か。
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