(2016年12月号コラムより)
先日あった同窓会の出来事である。50台後半にもなると話題の定番はゴルフか健康に決まっているが、もうひとつ必ず出るのが退職後の身の振り方である。こればかりは家庭の事情、経済事情、個人の希望と現実などで悩む人も多く、ご多分にもれず臨席のA君も2つの道のどちらにしようかモンモンと悩んでいるとの話であった。
その時である。めのまえにいた元生徒副会長のB子がバッサリと「どっちもやればいいじゃん」と発言。隣で聞いていた私もハッとした。何故なら私の頭にも二者択一、三者択一しかなかったからである。長年の仕事で二者択一を選択し続けてきた弊害か、そういえば「どちらか」を30年あまり選択し続けてきたのかもしれない。そしてあらためて女性の男性にはない頭の柔軟さに敬意を持った場面でもあった。
そういえば子供の頃に聞いた「文武両道」もしかり。大谷選手の「二刀流」もそうだ。ケーキと饅頭の取り合いをするより、それぞれ半分にして両方分け合えばケンカもおきない。ビジネスや人生で「どっちも」という選択肢も一考すれば、選択の幅や可能性が広がり、別の違った答えが出るのかもしれない。
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